厚生年金保険料の計算方法・手順・使い方、メリットデメリットなどについて
厚生年金保険料計算の方法概要
平均報酬月額の算出方法は次の通りです。まず最初に入社した時すなわち制度に加入した時は、その者がこれから受けるであろう報酬の見込額に基づいて算出します。これを取得時決定といいます。見込額はその者自身の雇用契約の内容や同じ職場にあって同じような仕事に就いている者の過去の報酬の額などを総合的に勘案して算出します。 次に、すでに加入中の被保険者については毎年4月・5月・6月の3か月間に受けた報酬の総額をその月数で割って算出します。これ定時示決定といいます。その際、欠勤等によって報酬の支払い基礎日数が17日に満たない場合は月がある場合は、その月を除外します。
厚生年金保険料計算の手順・方法01
平均報酬月額を算出するやり方は上記以外にもあと3つあります。それが随時改定・育児休業終了時改定・保険者決定です。 まず随時改定とは、昇給や降給等があった場合、その月から続く3か月間に受けた報酬の平均額を算出します。支払い基礎日数に対する考え方は定時決定と同じです。 次の育児休業終了時改定は、被保険者が育児休業を終了してから続く3か月間に受けた報酬の平均額を産出します。 最後の保険者決定は、これまで述べてきた決定または改定方法では著しく不当な額になると判断された時に、保険者すなわち政府が職権で算出します。具体的には災害等で長期にわたり出勤不能になった場合等が想定されています。
厚生年金保険料計算の手順・方法02
このような手順で算出された報酬月額は、最終的に標準報酬月額等級表に定められた等級に当てはめることで標準報酬月額となります。等級は平成26年9月現在1級から30級までの30等級に区分されています。 この等級表の使い方は次の通りです。たとえば先述した手順で算出された報酬月額が197,500円だったとします。その場合は19万1,500円が含まれる箇所を等級表から探し出します。すると「13級・標準報酬月額200,000円・報酬月額195,000円以上210,000円未満」という項目が見つかります。するとこの者の標準報酬月額は200,000円ということになります。
厚生年金保険料計算の手順・方法03
こうして決定された標準報酬月額の使い方については次の通りです。まず、すべての標準報酬月額は決定または改定された月から原則として翌年の8月まで使用します。ただし随時改定については、先述した手順で算出した連続する3か月間の平均報酬を等級表に当てはめた結果、等級が従前に比べて2等級以上変動するときはその4か月目から改定します。また、取得時決定が6月以前に行われている時、すなわち入社日等が6月1日より前の場合は、取得時決定によって決められた標準報酬月額はその年の8月まで使用します。 なお、標準報酬月額は厚生年金保険料計算だけでなく将来の年金額計算にも使用します。
厚生年金保険料計算の手順・方法04
続いては、実際の保険料額の算出方法です。これは、それぞれの被保険者に対し、各月の標準報酬月額に保険料率を乗じることで算出します。保険料率は平成26年8月現在で17.474%となっています。 ただしこれは厚生年金基金に加入していない事業所に勤める被保険者の場合です。同時に厚生年金基金に加入している場合は、それぞれの基金に定める掛金率に従って厚生年金保険料計算に使う保険料率も12.474%から15.074%の範囲内で変動します。 なお、こうして得られた保険料額は事業主と被保険者が折半して負担することになるため、月々の給与等から控除される額はここで得られた額の2分の1となります。
厚生年金保険料計算の手順・方法05
ところで、上記の保険料額を事業主と被保険者とで折半する場合、1円未満の端数が出ることがあります。この端数処理のやり方にもルールがあります。基本的には、被保険者負担分の端数が50銭以下のときは切り捨て、50銭超のときは1円に切り上げとなります。ただし労使協議等によってこれとは違う端数処理方法を採用することも可能としています。 こうして算出された保険料は、次のような流れで納入されます。まず、保険者が毎月前月分の保険料を計算して各事業所に料額の告知をします。すると事業主は被保険者の給与等から前月分の保険料を控除し、事業主が自ら負担する分と合わせて保険者へ納入します。
厚生年金保険料計算の考察
なお、ここまで述べてきた一連の流れは毎月の報酬に係る保険料に関するものでしたが、厚生年金保険料は1年間に賞与からも徴収されます。 賞与に係る保険料の額は、標準賞与額に保険料率を乗じて得ます。標準賞与額は、実際に支払った賞与の額から1,000円未満の端数を切り捨てて算出します。ただしこれには上限が設けられており、1か月に受けた賞与の額が150万円を超える時は、150万円を標準賞与額とします。保険料率は毎月の報酬に対する保険料率と同じです。なお1か月に2回以上賞与が支払われるときは、合算して150万円を超えるかどうかを判定します。
厚生年金保険料計算のまとめ01(使い方や注意点など)
先に述べた賞与に係る保険料は、年に3回まで支払われる賞与に対して課せられます。では1年間に4回以上賞与が支払われた場合はどうなるかというと、これは標準報酬月額を決定する際の報酬に含めることになります。 その計算のやり方は次のとおりです。定時決定の場合、全1年間に支払われた賞与の額を合計し、それを12で割ります。次に、そうして得られた額を、4月・5月・6月の各月に支払われた報酬に上乗せしたうえで平均報酬月額を算出します。随時改定などのその他の決定及び改定方法による場合も基本的には同様の流れとなります。
厚生年金保険料計算のまとめ02(使い方や注意点など)
次は、いささか例外的な保険料の計算例です。それは、現物給与がある場合です。 厚生年金保険においては、労務の対価として支給されるものであれば現金以外であっても保険料の計算対象となります。 具体的には、自社製品を与えた場合、通勤費を諸手当としてではなく一括購入した定期券で与えた場合、社員寮などの住居を提供した場合などがこれに該当します。これらに該当する場合は、その現物を金額に換算したうえで報酬月額に含め、先述の方法で標準報酬月額を決定することになります。換算の方法は基本的には時価によりますが、住居や食事に関しては国があらかじめその価額を決定しています。
厚生年金保険料計算のまとめ03(使い方や注意点など)
最後に保険料率の変遷についてです。先に厚生年金の保険料率は17.474%(厚生年金基金非加入の場合)と述べましたが、この料率が適用されるのは平成26年の9月1日から平成27年の8月31日までです。 厚生年金の保険料率は平成16年から段階的に、具体的には毎年0.354%ずつ引き上げられることが法律によって決まっています。したがって標準報酬月額等級表の使い方には注意が必要で、その表から得られる保険料額は毎年9月に変更となります。ちなみに平成27年9月1日以降の保険料率は17.828%になります。 なおこの措置は平成29年8月31日までのものであり、それ以降の料率は固定されます。
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