PSA検査の方法・やり方・手順や使い方・流れなどについて
PSA検査の方法概要
前立腺がんは早期の場合、あまり大きな症状は出ません。しかし、尿が出にくくなったり、切れが悪い、排尿後にすっきりしない、トイレに行く回数が多いなど、前立腺の内側の部分が肥大化する前立腺肥大症の症状が現れる場合があります。また、進行すると、排尿の症状が顕著になったり、血尿などが出現します。ただ、ある程度進行するまで症状が現れないというケースも少なくなく、例えば、骨への転移によって腰痛を来し、その受診がきっかけとなって前立腺がんを発症するケースも少なくありません。また、肺など他の部位の転移によって発見される場合もあります。
PSA検査の手順・方法01
前立腺がんと診断される方は、全国推計値で年間約5万人弱です。これは男性がかかるがんの14%を占め、65歳以上の高齢者で罹患率が高くなります。また、死亡者数は年間1万人以上といわれ、男性がん全体の5%にあたります。特に、1975年以降から罹患率が顕著に伸びてきました。理由としては、前立腺特異抗原(PSA)による診断方法が普及したためです。このPSA検査によって、症状からは気づきにくかった早期がんを容易に発見できるようになりました。一般の健常者を対象とした全国の自治体が行う住民健診でPSA検査が行われている地域もあります。
PSA検査の手順・方法02
PSAとは、前立腺上皮細胞が産生する糖タンパク質の一種です。日本語では前立腺特異抗原と呼ばれ、この使い方次第でがんの診断に有効な腫瘍マーカーとなります。やり方は非常に簡単で、血液一滴あればPSAの値が判明します。PSA値が低くなるほどがん罹患の可能性が低くなります。4ng/mL以下が正常値ですが、グレーゾーンの4~10ng/mLではがん罹患の可能性は約25%以上、さらに10ng/mL以上になると、罹患率は50%を超えます。この検査は、がんと診断された患者の進行度合いを計るという使い方もできます。ただし、PSA高値=がんではありません。確定診断には、前立腺生検が必要になります。
PSA検査の手順・方法03
前立腺がんは、他のがんに比べると高齢者で多く発症します。つまり、加齢に伴って増えていくという特徴があります。また、このなかには生命に影響しない、非常に進行の遅いがんが存在することでも知られています。一般的に他の部位のがんは悪性度が高いため、なんらかの症状が現れて発見される場合がほとんどです。しかしこのがんの場合、患者さんの死後、生前行われた検査のやり方ではみつけられなかったがんが発見されることがあります。これををラテントがんと言います。PSA検査の普及により、検査のやり方次第では積極的な治療の必要がないラテントがんの発見が多くなり、過剰診療の問題として前立腺がん治療の課題となっています。
PSA検査の手順・方法04
近年ではPSA検査の普及により、検診等でPSA値の異常を指摘され、受診する方が増えています。PSA検査自体は疑い患者を抽出するためのものであるため、受診後は確定診断に向けた診察や検査が行われます。一般的な手順や流れは、問診や診察に加え、尿検査やPSA検査、さらに肛門に指を直接入れて前立腺の状態を確認する直腸診、超音波を出す筒状の器具を肛門に挿入し状態を調べる経直腸的前立腺超音波検査が行われます。これらの手順に沿って検査し、がんが疑われた場合に、前立腺生検でがん細胞の有無や性質を調べます。また、がんが強く疑われたり、がんと診断されたら、画像検査や骨シンチグラフィでがんの転移や広がりを検査します。
PSA検査の手順・方法05
病期分類には、TNM悪性腫瘍分類が用いられます。前立腺がんの場合、T:がんが前立腺の中にとどまっているか、周辺の組織・臓器にまで及んでいるか、N:所属リンパ節やその他のリンパ節に転移しているか、M:遠隔転移があるかないか─の3点に基づいて分類されます。T、N、Mはさらに細かく分類され、T2は前立腺の中にとどまっているがん(限局がん)、T3 は前立腺をおおう膜を越えてが広がっているがん(局所浸潤がん)、T4 は前立腺に隣接する膀胱や直腸、骨盤壁などに及んでいるがん(周囲臓器浸潤がん)です。これを基にリンパ節転移がない場合はN0、ある場合はN1、遠隔転移がない場合はM0、ある場合はM1が加えられます。
PSA検査の考察
治療は主に、手術(外科治療)、放射線治療、ホルモン療法の主に3つです。また進行の遅いがんと診断された場合には、特別な治療を行わず、経過だけをみていく方法(PSA監視療法)もあります。転移がなくリスク分類で低リスク群と評価された限局がんでは、手術や放射線治療、ホルモン療法など、多くの治療の選択肢があります。一方、中間リスク群や高リスク群では、それらの治療を組み合わせて行うことが必要になります。中間リスク群では手術、高リスク群では放射線治療がメインとなりますが、症例によっては手術が可能な場合もあります。遠隔転移のあるがんはホルモン療法が中心となります。
PSA検査のまとめ01(使い方や注意点など)
手術は、限局がん(がんが前立腺内にとどまっている状態)で、期待余命が10年以上である場合、最も高い生存率を期待できる治療法として認められています。その方法は、下腹部を切開して前立腺を摘出する恥骨後式前立腺全摘除術、腹腔鏡による内視鏡下による手術、さらにロボットを駆使して切除するやり方もあります。ロボットによる手術は2000年ごろに登場した技術で、手順としては皮膚に小さな穴を開けて、精密な鉗子を持つ手術用ロボットを遠隔操作して患部を切り取るという流れです。開腹手術と同等のがん細胞の増殖抑制効果が得られる一方、侵襲性は少なく患者さんの負担を減らせることから、大病院を中心に導入が進んでいます。
PSA検査のまとめ02(使い方や注意点など)
ホルモン療法(内分泌療法)では、アンドロゲンという男性ホルモンの分泌や作用を阻害する薬が使われます。主に精巣でつくられるアンドロゲンは、前立腺の中でジヒドロテストステロンという物質に変化し、これががん細胞を刺激することによってがんは増殖していきます。ですので、アンドロゲンの分泌や作用を抑制することによって、がん細胞の増殖を抑えることが可能になります。ホルモン療法の主な対象者は、転移のあるがん患者です。転移したがん細胞は、前立腺がん由来であることから、ホルモン療法の効力が期待できるからです。しかし、術後の経過観察など転移がない前立腺がんにも適用されるなど、いろいろな使い方ができます。
PSA検査のまとめ03(使い方や注意点など)
放射線治療の方法には、外照射療法と組織内照射療法(密封小線源療法)があります。外照射療法は、体の外から放射線をあてるやり方です。通院治療で行われることが多く、週5日で7~8週間かけて照射が行われます。一方、組織内照射療法は、前立腺の中に放射線を放出する物質を挿入して体内から放射線をあてます。線源を一時的に前立腺の中に入れる方法と、永久的に埋め込んでおくやり方があります。また、外照射療法と組み合わせて実施することもあります。放射線治療には、治療から5年などある程度時間が経過して現れる副作用(晩期合併症)もあるので、十分な経過観察が必要です。
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前立腺は男性だけが持ち、精液の一部をつくる働きを持っています。骨盤を形づくる骨の1つである恥骨の裏側にあり、栗の実のような形状的な特徴があります。この部位にできた悪性腫瘍が前立腺がんです。前立腺の細胞が正常に増殖することができなくなり、無秩序に自己増殖を繰り返すことによって発生します。なぜ正常な細胞ががん細胞に変わるのかは、まだ十分に解明されていません。がん細胞は、血液やリンパ液に運ばれることにより、流れ着いた別の臓器に転移する場合があります。前立腺がんの場合は、骨盤が近くにあるため、他のがんに比べて骨転移の割合が高いです。また、肺や肝臓などへの転移もみられます。